俺様紳士の恋愛レッスン
「とッ」

「篠宮さん、今日も宜しくお願いしますね」



遮るように言葉を被せた十夜。

その意図を察して、我に返る。



「宜しくお願いします……片柳サン」



再び描かれた緩やかな笑みが、私に無言のプレッシャーをかける。

名前を呼ぶんじゃねぇよ、と。


棘のあるオーラに早くも半べそになりながらも、「こちらへどうぞ」とオフィスへと向かった。



「室長、片柳さんがいらっしゃいました」

「おぉ、片柳くん。今日も宜しく頼むよ」

「こちらこそ、宜しくお願い致します」



一寸の狂いもなく完璧に仕立てられた笑顔を見て、複雑に胸が痛む。

私は愛想笑いすらままならないというのに、十夜は少しも気にしていないらしい。

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