俺様紳士の恋愛レッスン
「――これついては以上です。……えー、次は」

「あッ!」



分かった、と口を衝いて出そうになり、慌てて口を抑えた。



「なんだ篠宮、質問か?」

「すみません、何でもないです! どうぞ続けて下さい!」



室長はじとっとした疑念の目を向けつつも「すまんな片柳君、続けてくれ」と促した。

再び始まった十夜の話を真剣に聞きつつ、その顔を見つめ続ける。


そして憶測は、確信へと変わる。



違和感の原因、それは十夜が私の目を見ないことだった。


完璧なビジネスマンである十夜は、必ず室長と私を交互に見ながら話をする。

しかし今日は、極端に十夜と目が合わない。


更に話の区切りでは、置いてけぼりになりがちな私を気遣って、必ず「何か質問はありますか」と尋ねてくれていた。

今日に限っては、それもない。

< 320 / 467 >

この作品をシェア

pagetop