俺様紳士の恋愛レッスン
「だけど俺と優愛が結婚して、十夜は仕事で忙しくなって、互いの日常を当たり前に過ごしていくうちに、気が付けば十夜は憂い気な顔をしなくなっていたんだ。
それは十夜自身がそうしようとした訳でも、誰かの手によってそうなった訳でもない。時間の流れの中で、自然と十夜の想いは、美しい思い出に変わっていったんだと思う」

「……時が解決してくれた、ってことですか?」

「そういうことだね」



しかし、それでは辻褄が合わない。



「でも、十夜は『叶わない恋の何が悪い』って、『優愛さんを思い続けることが唯一の幸せだ』って言ってました」

「それは暗示みたいなものだよ。もし他の誰かを好きになれたとしても、また失恋するかもしれない。十夜の負った傷を考えたら、踏み出せない気持ちは痛いほど分かるから」

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