俺様紳士の恋愛レッスン
打たれた心臓がドクンと鳴る。



「じょ、冗談やめてください。だって、そんなの……」



十夜が私に、失恋したかのような言い方だ。



「ほら、仕事で何か嫌なことがあったのかもしれないですし!」

「それはないよ。十夜はビジネスとプライベートを完全に分ける人間だから」

「でも、十夜は私のことをからかって遊んでるだけで、好きだとかそんな素振り、全然……」

「篠宮さん、前に俺が言ったこと覚えてる?」



遠山さんは呼吸を置いて、からかうような笑みを私に向ける。



「十夜は好きな子をいじめちゃう、典型的な小学生タイプなんだよ」



それはまるで『全ては私が好きだからだよ』と言うようで。



「更には極度の負けず嫌いで、プライドも高い。だから篠宮さんが彼氏さんに傾いてしまったことが、どうしても許せなかったんだろうね」

「でも……ッ!」



心臓が痛い。

狂ったように脈打っている。

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