俺様紳士の恋愛レッスン
そこは閑静な住宅街の一角。

打ち放しコンクリートが何ともお洒落な外観のマンションは、如何にも十夜が好きそうなシンプルテイストだ。



「十夜の部屋は2階奥の角部屋だよ。車も停められないし、俺はこのまま帰るけど、トラブルが起きたらすぐに連絡して。優愛に電話くれれば飛んで行くから」

「ありがとうございます。門前払いされたら、お願いします」



へらっと笑いながら車を出て、運転席へと回り、一礼する。

すると遠山さんはサイドウィンドウから顔を出す。



「篠宮さん。十夜を宜しくお願いします」



その優しい表情は、兄のようであり、不思議と父親のようにも見えた。



遠山さんの車が見えなくなるまで見届けた後、ふぅ、と肩から大きく息を吐く。



「――よしッ!」



そして、コンクリートの階段を上っていく。

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