俺様紳士の恋愛レッスン
「彼氏へのプレゼント買いに街に出たら、女と腕組んで歩いてるのを見かけて。こーゆーのなんて言うんだっけ、ヤグる?」

「で、でも腕組んでただけなら未遂かもよ!」

「見た瞬間分かるもんだよ、ヤった距離感って。それに彼氏も認めたし」

「そんな……」



萌は見たままを語り、そこには感情を匂わせない。



「ほら、一時の迷いかもしれないよ?」

「彼氏も言ってた。『過ちは一度きりで、あの日は君へのプレゼントを一緒に選んでもらってたんだ』って」

「なら!」

「でも一度だろうが浮気は浮気。しかも浮気相手に選んでもらったプレゼントなんて、少しも嬉しくないわ」



フ、と笑った萌は、紅い唇に紅いワインを流し込む。

萌は美人でモテ女で、経験相応のプライドもある。



「エン、私は寧ろラッキーなんだよ。結婚を決める前にその程度の男だって知れたんだから」



そう言って萌は笑うけれど、普段よりもほんの少し華やかなメイクは、虚勢の表れなのかもしれない。

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