俺様紳士の恋愛レッスン
「エンも気を抜かないほうがいいよ。片柳さんモテるだろうし、誘いなんていくらでもあるだろうから」

「えっ!?」

「え、じゃないわよ。現にエンだって一目惚れだったでしょ」

「確かに……!」



幸せボケに浸っていた脳みそを、現実という名のハンマーでガツンと殴られたような感覚だ。



「どうしよう、浮気だなんて考えたこともなかった……!」



一度考え始めると、あれよあれよと負の妄想が膨らんでいく。

毎日帰りが遅いのは女と会っているから?クリスマスも仕事ではなく女と遊ぶのでは?

終わりのないループに囚われて、堪らずカウンターに突っ伏した。



「待った。私は別に片柳さんが浮気してるとは言ってない」

「そうだけどさぁ、いつ飽きられて捨てられるか……!」



そもそも何故十夜は私に投資をしたのか、その理由は未だに分からない。

おまけに私は今まで一度たりとも、『好き』や『愛してる』などの明確な想いを告げられたことがない。

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