俺様紳士の恋愛レッスン
――ヴー、ヴー

聞き慣れた振動音が、空気を割って耳を伝った。

嫌な予感がして、薄めた目を開くと、十夜は無言で身体を起こす。



「……十夜、電話……」

「分かってる」

「……出ないの?」

「――だーッ」



髪をガシガシと掻いた十夜は、一瞬私を睨みつけると、チュ、と不意打ちなキスを落とす。



「なッ」

「ったく、どこのどいつだ」



十夜は慌てる私などお構いなしに、荒々しくベッドを降りると、机の上のスマホを拾い上げ、すぐ様タップする。



「てめー、狙ってんだろ……」



その第一声に、電話の相手が遠山さんであることを知った。


バクバクと鳴る心臓に手を当てると、残念感半分、安堵感半分の複雑な心境に包まれる。

しかしお陰で酔いも冷め、音を立てないようにベッドから降りると、視線の先の十夜の表情がピタリと固まった。

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