俺様紳士の恋愛レッスン
とんだサプライズに、私は赤面。

ゲストは一斉にモニターへとカメラを向ける。



「この写真は、十夜君の兄であり私の親友でもある、春樹君が撮ったものなのですが……」



と、ご満悦の木崎さんからマイクを奪ったのは、嫌味なほどに完璧な笑みを浮かべる十夜。



「木崎様のお喋りのせいで、折角のドリンクがぬるくなってしまいましたね。それでは、私たち夫婦の前途を祝して。乾杯!」



わっと会場が沸くと共に、沢山の陽気な「乾杯!」が響いた。

要の音頭を奪われた木崎さんは、「このやろう!」と満面の笑みで十夜の肩に腕を回し、それを面倒そうに引き剥がす十夜も、何だかんだで顔が綻んでいる。



「ったく、あんな写真いつ撮ったんだ?」

「ねー! 全然気付かなかったね!」



メインテーブルに帰ってきた十夜は、乱れた髪を正し、私の手元にグラスを差し出す。



「乾杯」

「乾杯ッ!」



キン、と上品な音を聞いて、私たちは微笑み合った。

< 437 / 467 >

この作品をシェア

pagetop