俺様紳士の恋愛レッスン
「優愛、いい加減にしなさい」

「やですぅ! もえのちゃんから離れたくないですぅ!」

「優愛」



遠山さんは膨らむ優愛ちゃんの頬を器用に片手で掴み、顔を寄せる。



「優愛が一番好きなのは誰だ?」



意地悪く笑う遠山さん。

その表情が十夜と酷似していて、不謹慎ながらも胸が鳴る。



「……今はもえのちゃんが一番好きですぅ」

「そ。なら俺たちはあっち行くな。バイバイ」



遠山さんは我が子の手を取り、ふりふりと振る。

そして踵を返すと。



「――ごめんなさいぃー! 春樹さんとゆーくんが一番好きですぅー!」



遠山さんに飛び付き、うるうるとした瞳で見上げる優愛ちゃん。

よし、と満足そうに笑った遠山さんは、こちらに申し訳無さそうに頭を下げると、優愛ちゃんを控室へと連れて行った。



「……絵に描いたような幸せ家族ね」



独り身の萌は、苦笑いを落とす。

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