俺様紳士の恋愛レッスン
「ごめん、うっかり優愛に酒を……」

「やっぱり。酔ってますよね?」

「あぁ。ジュースと間違えて飲んじゃったみたいで」



尚も私に抱きついたままの優愛ちゃんに、遠山さんは「離れな」と頭をポンポンと撫でるけれど、「やですぅ!」ぷいっと頬を膨らませる優愛ちゃん。

遠山さんに反抗する姿など、初めて見た。



「あれぇ? 円華ちゃんのお隣の方はぁ?」

「会社の同僚で、笹川萌乃と申します」

「もえの、ちゃん……?」



優愛ちゃんはキラキラと目を輝かせた後、今度は萌にガバっと抱きついた。



「もえのちゃん、可愛いー!」



萌は一瞬目を丸くしたけれど、「ありがとう」と微笑んで優愛ちゃんの頭を撫でた。



「ごめん。優愛は酔うと誰彼かまわず抱きつく習性があって……」

「なるほど」



十夜が『あいつに酒を飲ませたら俺が殺される』と言っていた理由が、よーく分かった。

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