俺様紳士の恋愛レッスン
「それにしても、まさか十夜があんなことを言ってくれるだなんて……」



先程の記憶を噛み締めては、じんと目頭が熱くなる。



「今回もまんまと引っかかったな」

「十夜のサプライズは毎回完璧すぎるのー。だけど今日の十夜はいつもと違って余裕な感じだったよね! 名前も呼んでくれたし」

「……余裕?」



十夜は目元を隠す腕をずらし、細めた片目で私を捉えた。



「そう見えてんなら願ったり叶ったりだっつーの」



睨み付けるような視線と、淡く染まった頬。

そしてはー、と深く吐き出された安堵のため息に、きゅうんと胸が苦しくなる。



「十夜」



仰向けになる彼に、真上から、触れるだけのキスを落とす。

この日のために伸ばしてきたセミロングの髪が彼の額を掠(かす)めると、それを退けるように、彼の手が私の頬へと伸びてくる。

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