俺様紳士の恋愛レッスン
「こんなバカなやつ、初めて見た」

「へ?」

「おもしれー」



彼は目を細めて笑う。

目尻に涙を溜め、口を歪ませる私を、小馬鹿にするように。



「――ッ! 片柳さんて実は超嫌なヤツでしょ!」

「引っかかるほうが悪い」

「うわっ! てか全然好きじゃないし!」

「でも顔は好き、なんだろ?」

「ぬぁッ……!」



それは否めないから、言い返せない。



「はっ、本当バカみてーに素直だな」

「バカって言ったほうがバカなんですぅ!」

「ガキかよ」



片柳さんはやはり私を小馬鹿にするように、目を細める。


ククッと声を漏らして、意地悪に笑うその姿。

歯に衣着せぬ乱暴な物言い、時折見せる冷淡さと威圧感。

それらは全て、今朝までの彼のイメージを180度覆すものだった。

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