俺様紳士の恋愛レッスン
男性の半歩後ろを歩く感覚が、久々すぎてどぎまぎする。

タカちゃんは所謂草食系だから、こんな風に自らが先導するような行動は取らない。

二人で何かを決める時には、決まって始めに「エンちゃんはどうしたい?」と尋ねられる。


片柳さんの横顔をちらりと盗み見ると、端正な顔立ちは横から見ても完璧で、恐ろしいほどに綺麗だ。

そんな彼を見て、タカちゃんてちょっぴり丸顔だよな、なんて思う。



「なに、そんなに俺のコトが好きなの?」

「うん、すごい好き」

「…………」



と、沈黙の後。



「はっ!? 何言ってんの!?」



と、我に返る。



「ちっ、違うッ! 私は片柳さんの顔が好きなだけで、そんなんじゃなくて……ッ!」



真っ赤になっているであろう顔面を隠すように、ブンブンと手を振った。

しかし否定すればするほど肯定しているような気がして、パニックになった私が頭を抱えると。



「はっ」



聞こえてきたのは、鼻で笑う音。

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