俺様紳士の恋愛レッスン
「そんな技術、一体どこで身につけたの?」

「木崎さんに仕込まれた。あの人は天才だ」

「え、じゃあ木崎さんの本性も……!?」

「いや、あの人は素もあんな感じだな」



良かった。木崎さんまでもがニセモノだったら、私は人間不信に成り兼ねない。



「別人を作るだなんて、私には絶対真似できないなー」

「だろうな」

「むむッ。なんかコツでもあるの?」



この問い掛けに、深い意味はなかったのだけれど。



「簡単だ」



向けられた視線に息を呑む。

それまでの意地悪な笑みは一瞬のうちに消えて、代わりにやってきたのは、あの妖艶な笑み。


空気が変わる瞬間を、感じた。



「感情を殺す。それだけだ」

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