俺様紳士の恋愛レッスン
感情を……



「殺す?」



余りに迷いのない答えに、心臓がドク、と揺れるのを感じた。



「隠すとか、抑えるとかじゃなくて?」

「隠そうとしても、抑えようとしても、止められないのが感情だろ。なら殺すしかない」



そんなの、極論だ。

それでは、殺された感情たちが



「かわいそ――」

「篠宮サン」



気持ち強く、被せられた声。



「店、まだ着かねーの?」

「あ」



そうだった、と慌てて辺りを見渡すと、既に店のすぐ側まで来ていた。

「あのお店!」と指差すと、片柳さんはふいと方向転換し、店の入り口に向かって歩いて行く。


今ここに着いたのは、ただの偶然だろう。

けれど強制的に会話をシャットアウトされた気がしてならないのは、私の思い過ごしだろうか。

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