俺様紳士の恋愛レッスン
「いつ知ったの? エンって」

「ヒミツ」

「なんで! 知りたい!」

「考えれば分かるだろ」

「私バカだから分かんない! 教えて!」

「ンだよ、今度は素直に認めるんだな」



だって、本当に分からない。


朝、私が室長と話している時に、木崎さんと十夜がやって来て、そこで少し立ち話をして。

その後、ミーティングルームに移動して――



「あっ! もしかして、萌!?」

「せーかい」



そんな、信じられない。



「だって、超小声だったはず……!」

「言ったろ。どんな小さな声にも耳を傾け、って」



まさか、あの一瞬のやり取りさえも見られていただなんて。

あんぐりと口を開ける私を余所(よそ)に、平然とトパーズ色のワインを流し込む十夜。


視野の広さと勘の良さは、鍛えられたモノなのか、それとも天性のモノなのか。

どちらにせよ、デキる男の木崎さんが自信を持って太鼓判を押す理由が、よーく分かった。

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