俺様紳士の恋愛レッスン
街灯の乏しい夜道を独りで歩く。

残春の夜風は、過ぎ行く春を惜しむかのようにひやりと冷たい。


先ほどの会話を思い出しては、「はい」と答えてしまった自分に疑問と後悔を抱く。


優愛さんは私に何を期待しているのだろうか。

そもそも、フッた相手のことをそこまで気にかける必要があるだろうか。


情けをかけているのか、申し訳なさに苛まれているのか。

どちらにせよ、優愛さんの想いは十夜にとって、大きなお世話ではないのだろうか。



そう思ってはみるものの、何故かしっくりこない。

それは恐らく、優愛さんが本当にいい人だということが分かっているからだ。



「本当に、私とは大違い」



自虐を吐きたくもなる。

私と優愛さんは、全てが対極の人間であると言っても過言ではない。

つまり、十夜の好みは私と真逆の女性だということだ。


この時点で、十夜が私のことを好きになる可能性は……ゼロ。

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