好きだからキスして何が悪い?
顔を合わすだけでも気まずいっていうのに、お祭りに誘えってどういうことですかーっ!?


ガバッと飛び起きて、すごい早さでキーをタップする。

“そんなのムリ!”とだけ打って即送信すると、返信もすぐに来た。


“大丈夫、あたしと琉依は途中で姿くらますから”


「そういう問題じゃない~~」


ていうか、私なんかが誘っても絶対断られるって~。

なぜか半ベソ状態で再び文字を打つ。

何度か似たようなやり取りをした後、文ちゃんはこんなことを送ってきた。


“ずっと気まずいままじゃ嫌でしょ? 大丈夫。あたしも琉依も、如月くんは断らない方に100万点賭けるから”


その自信はどこから来るんですか……。

苦笑する私だけど、たしかにこのままの状態でいるのは嫌だ。

如月くんからはきっと何のアクションも起こさない。だから私が動くしかない。


……そうだ、望みがないのなら、何も怖がることはないじゃない。

当たって砕けて当然。そう思えば、断られても平気だって勇気が湧いてくる。

何も行動しないで後悔するよりマシだもんね。


思い直した私は、“わかった。誘ってみる!”と意気込んで返信した。


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