好きだからキスして何が悪い?
待ち合わせ場所の赤い橋にやってくると、たくさんの人で賑わう中に琉依くんを見付けた。

でも、彼の隣に如月くんらしき姿はない。


如月くんには、琉依くんから待ち合わせの時間と場所を連絡してもらうことになっていた。

一緒に来るんじゃなかったのかな、と思いながら近付くと、私達に気付いた琉依くんは目を丸くする。


「おぉー、浴衣じゃん! ふたりとも似合ってるよ、和服美人!」


いつもながらストレートに褒めてくれる彼に、私は当然照れるけど、珍しく文ちゃんも頬を赤くしていた。

照れてるところも可愛いんだよなぁと思っていると、話を逸らすように文ちゃんが言う。


「ね、如月くんは?」

「今日バイトらしくて、俺達もここで合流することになってるんだ。だからそのうち来るはずだけど……」


そこまで言って、琉依くんは文ちゃんににこりと笑いかける。


「今のうちに行こっか」

「そうだね」


頷いた文ちゃんと、ふたりで歩きだそうとする。

……って、ちょっと待った!


「え!? ちょっと、ふたりともどこに……!?」


この展開はまさか。

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