好きだからキスして何が悪い?
久々に他人の口から出されたその名前に、心臓がドクンと揺れた。
その時、俺達のやり取りを不思議そうに見ていたマリの女友達が、違う方を見て「あ、やっと来たー」と手を上げる。
その方向から来たのは、ツンツンと短い髪を立たせた男。
今度はこっちの子の彼氏か?
「わりぃ、お待たせ」
「な、なぁ! 奏さんがいるんだよ!」
「は?」
マリの彼氏が、短髪の男に興奮気味に言う。
その様子を見て、コイツらはパープルの一員なのだろうと気付いた。
くそ、何でこんな時に……!
「奏さんって……パープルの次期リーダーの!?」
驚愕の表情で俺を見つめるふたりの視線から逃れるように、身をひるがえして歩き出す。
「……人違いだ」
「あぁー待ってください! 俺達、ずっと奏さんのこと待ってたんですよ!」
「早く皆に知らせねーと!」
俺の腕を掴んで引き止める金髪男子に、スマホをすごい早さで操作する短髪男子。
ふざけんな……こんなとこでパープルの奴らなんか呼ばれたら、大事(おおごと)になるに決まってる。
でも、根本をたどれば原因は俺にあるんだ。
今、コイツらに俺の考えをはっきり言っておくべきか……。
その時、俺達のやり取りを不思議そうに見ていたマリの女友達が、違う方を見て「あ、やっと来たー」と手を上げる。
その方向から来たのは、ツンツンと短い髪を立たせた男。
今度はこっちの子の彼氏か?
「わりぃ、お待たせ」
「な、なぁ! 奏さんがいるんだよ!」
「は?」
マリの彼氏が、短髪の男に興奮気味に言う。
その様子を見て、コイツらはパープルの一員なのだろうと気付いた。
くそ、何でこんな時に……!
「奏さんって……パープルの次期リーダーの!?」
驚愕の表情で俺を見つめるふたりの視線から逃れるように、身をひるがえして歩き出す。
「……人違いだ」
「あぁー待ってください! 俺達、ずっと奏さんのこと待ってたんですよ!」
「早く皆に知らせねーと!」
俺の腕を掴んで引き止める金髪男子に、スマホをすごい早さで操作する短髪男子。
ふざけんな……こんなとこでパープルの奴らなんか呼ばれたら、大事(おおごと)になるに決まってる。
でも、根本をたどれば原因は俺にあるんだ。
今、コイツらに俺の考えをはっきり言っておくべきか……。