好きだからキスして何が悪い?
おぉっ、と驚いた瞬間、文ちゃんはバッと両手で顔を隠した。

か、可愛すぎる!!


「え、え、本当にそうなんだ!? きゃー!」

「……うるさいよ」


興奮しまくる私を指の隙間から睨む文ちゃんだけど、ものすごく可愛いから全然怖くない!


「そうなんだぁ~、今まで告白してくる男子をぶった切ってた文ちゃんが……へぇ~~」

「ニヤニヤしすぎだよ、もう」


ニヤけずにはいられないよ。

だって、文ちゃんからそういう話聞くのってたぶん初めてだし、その相手が琉依くんなんだもん!

私の恋のお手伝いをしてるうちに、別の恋が芽生えていたんだなぁ。素敵!


そっかそっか、お祭りの時様子がおかしかったのはそのせいだったのか……

…………って!!


「あぁぁ~~ごめんっ!!」

「はっ!? 何、突然」


今さらながら申し訳ないことをしていたことに気付いて、文ちゃんの腕にしがみついた。

困惑する彼女に、私は遠慮がちに口を開く。


「だって文ちゃん、私が琉依くんに、その……抱き留められたとことか、見ちゃってたでしょ?」

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