笑顔の裏側に
だんだんと深くなっていくキスに、思わず声が漏れる。

それに比例して、悠のキスも荒くなっていく。

途中紙袋がガサッと落ちた気がしたけど、構っている余裕はない。

膝から崩れ落ちそうになると、それを察したように腰に手が添えられ、背中を壁に押し付けられた。

リップ音とお互いの息遣い、声に、どんどん体が熱くなり、感情が高ぶっていく。

まるで自分の体じゃないかのように、されるがまま悠を受け入れていた。

私の呼吸に合わせてくれるから、酸欠で耐えられなくなることはない。

だけどそれがまた焦らされているようで、余計に求めてしまう。

「ゆ、う‥」

名前を呼んで、今度は私からキスすれば、悠が固まった。

「これ以上はダメだ。我慢できなくなる。」

目を逸らされて、頭を撫でられた。

「我慢‥しなくても‥いいよ。悠になら‥何されても‥いい‥。」

呼吸を整えながら悠を見つめる。

「簡単にそんな言葉言うな。自分を大事にしろ。」

切なげに目を伏せて、頭にキスを落とした後、先にリビングに戻っていた。
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