笑顔の裏側に
私も後を追えば、

「お、今日はハンバーグか!腹減ったな。早く作ってくれよ。」

さっきのことが嘘みたいに何事もなかったような会話だ。

そんな悠に、

「急いで作るね。」

そう返すしかなかった。

夕食のときもいつも通りだった。

その後は悠の片付けを手伝った。

持っていた紙袋は私宛てのものだったようで、手渡されて中を見ると、ゼリーが入っていた。

どうやらいつもお世話になっているお礼だそうだ。

美沙さんにお礼を言っておくように伝え、冷蔵庫にしまった。

片付けも終わり、お風呂に入ると、2人してベットに入る。

タオルケットの中に自分以外の温もりがあることが久しぶりすぎて、懐かしくて。

何だか泣きそうになった。

それがバレないように、悠の胸に顔を埋めるようにして抱きついた。

だけどそれは失敗したなと思う。

悠の温もりを直に感じたら、本当に泣けてきちゃったから。
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