笑顔の裏側に
悠はしばらく黙り込んだ後、

「俺の彼女として見られるのがそんなに嫌か?」

「違うの!それだけは絶対に違う!」

もうどうしてそんな考えに行っちゃうの?

私は悠のそばにいられて幸せに思っているのに。

ずっと一緒にいて生活してるのに、その気持ちは伝わってないの?

悠は今まで何を感じて私との生活を送っていたのだろう。

「気を遣わなくていい。最初からそういう約束だったもんな。」

「悠、何を言って‥。」

約束って何?

何の話をしているの?

「白木のことが好きなんだろ?」

その一言に私は思わずぽかんとしてしまう。

白木君とは大学の友人だ。

なぜ今白木君が出てくるのか。

私はバイトの話をしていたのに。

「最近よく一緒にいるもんな。」

そう言われてそういうことかと納得する。

「ちょっとストップ。悠は誤解しているよ。」

そしてお茶を飲んで乾いた喉を潤した後、丁寧に説明する。

「白木君からの相談にのってただけなの。」

「相談って何?」

私の説明の途中で、悠が問い詰めてくる。

「内容については言えないよ。白木君の沽券に関わることだから。だけど、私以外にも、美憂や彩花も同じように相談を受けているの。というより、白木君の相談を3人で話し合ってるっていう方が多分正しいかも。」

どうかこれで察してほしい。

これ以上は言えないから。

実は白木君からクリスマスプレゼントの相談を受けていた。

舞にプレゼントとともに告白したいからと。

だから舞と仲のいい私たちは相談相手に選ばれたというわけだ。

それで頻繁に話しているところを悠にも見られていたということだろう。
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