笑顔の裏側に
「その約束はもう守らなくていい。あの時今の私たちは違うでしょ?悠、好きだよ。」

「え‥。」

私の言葉に小さく漏れた声を私は聞き逃さなかった。

それによって、やはり伝わっていなかったのだと実感した。

「今までちゃんと伝えてこなくてごめんね。悠なら言わなくても伝わってるって勝手に思い込んでた。そんなわけないのにね。不安にさせて本当にごめん。」

悠の腕を優しく撫でながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。

抱きしめる腕に力がこもった気がしたけど、腕を撫でる手を止めて、しっかりと言葉にした。

「好きだよ。大好き。」

「もう一回。」

「好き。大す‥

最後まで言う前に、斜め上からキスされた。

唇が離れて自然と瞳が交わる。

「ずっとその言葉が聞きたかった。」

そしてまた唇を塞がれた。

「愛してる、優美。」

その言葉に安心させられたのは私も同じだった。

越川先輩の言動に惑わされて。

悠を信じているはずなのに、心は掻き乱されて、あんなこと言って。

結局信じ切れていなかったのかな。

だけどこうしてお互いの想いを確かめ合って、つながり合えたなら。

私たちはきっと大丈夫だとーーー。

この時私はそう思っていた。
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