そばにいたいの、ずーっとね。

下山のあとは
スーパー銭湯でのんびり。
これが楽しいんだよね、と。
疲れた身体とお風呂！
2人でぼんやり長風呂。
女同士のこんな楽しみ方、そういえば忘れてた。
ほんとに裕也しか見てない毎日だったな。


でも
今日からはわたしらしくいたい。

裕也と離れたら
もう誰も好きとはいってくれないかも
そんな恐怖もあったし
まわりがどんどん、結婚していく中で
彼をその相手だ、離してはいけないと思っていたところもある。

でも、それは違うよね。
わたしらしくない！

帰ったらちゃんと裕也に言わなきゃね。



山に登ってきたよ！
大変だったけど、この風景みたら
疲れも吹っ飛ぶよ。
小さいことクヨクヨするのバカらしくなるし。
汗かいて、なにかするって、いい感じ。
頂上で撮った写真をそえて
裕也に送る。

裕也からの返事にまたがっかり。


こっちは仕事ばっかりで
なんにもおもしろいことないのに。
おまえ、楽しそうだよな。
きらくだよなぁ、ほんとうに。
なんか俺もいいことないかな。

そっか。
結局、わたしの楽しさを共有はしてもらえない。
自分が楽しくないのに
わたしが、楽しむのは許せない。
楽しかったのか、よかったな、
連れていってくれた先輩に感謝だな、
そういって、一緒に写真を眺めてくれたら。
それでいいのにな。

ねぇ、裕也
わたしたち、ちょっと距離おこう。

返事を読んで確信したよ。
ここまま、毎日、LINEやりとりしても
わたしはちっとも笑顔になれないよ。


『はぁ⁈ナニソレ？
別れたいの？
なにが不服なわけ？』

『うまく言えないけど
わたし、いろんなことを楽しみたいの。
友達と出かけたいし、登山も楽しかったからまた行きたい。
裕也は笑顔でいてって言ったよね？
もともとじっとしてるの好きじゃないし。』

『だから、俺が笑顔にさせるっていってるだろ？』

『来週、先輩とドライブって言ったら
裕也はどう思うの？』

『は？
なんで毎週、先輩とでかけるんだよ。
週末は俺には連絡できないってことかよ。
俺、1人でつまんないだろうが。』


変な理屈。


ごめん、裕也
やっぱり、しばらく距離おきたい。

認めないから、の
裕也の言葉は聞こえないふりで、
電話を切る。