カテキョ。
残り3回となった先生との時間でのことだった。

休憩時間になって、ずっと気になっていたあの事をあたしは先生に聞いてみた。


「先生は、あと3回であたしの先生じゃなくなるんですよね?」


先生は、何も言わずにクスッと鼻で笑って見せるだけだった。

あたしのことなんて全く相手にしてもらえていない気がした。

先生は少し何か考えた後に言った。


多分、先生はあたしの気持ちに気づいていたんだと思う。

「じゃあ、新学期の数学のテストで、知佳が平均点より上の点数だったら、どこかにご飯食べに行こうか。」

「はいっ!」
あたしは元気に即答した。
 
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