坂道では自転車を降りて
「すごいとか、格好良いって意味の”普通じゃない”は、なんかもっと普通を普通じゃないレベルまで積み上げたところにあるんじゃないかな。変は、単に変で、異質って意味だろ。最初から変でいいのかな?」
「普通より面白いじゃん。迷惑かけてないし。それに、変も積み上げたらすごいになるんじゃないかな。」
「あー、それもあるかもしれないけど。」
「だって、普通に出来ないんだもん。変なの気にしてたら、死ななきゃいけなくなるじゃん。」
「そんな大げさな。」

 程なく、彼女の降りるバス停に近づいた。何事もなくて、良かったような残念なような。実際少し心配だったので、一緒にバスを降り、家まで送る事にした。彼女の家の前まで送ると、彼女は礼を言って家に入って行った。
 だって、普通にできないんだもん。か、十分普通に見えるけどな。変っていうより、面白いというか不思議な子だよな。ああ、それで変って言われて、気にしてるのかな。

 家に帰って気付く。本屋に寄るつもりだったのに、完全に忘れていた。
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