坂道では自転車を降りて
「それと、この女の人、美波さんとかぶるんですけど、美波さんなの?」
「分かる?」
「なんか、いいのかな。傷つかないかな?」
「多分、大丈夫だ。主演ができて喜ぶと思うよ。」
「そうなんだ。」
少し驚いている。
「多分ね。」
「ふーん。」
憮然とした表情。あれ?なんかちょっと変な感じ。
「何?」
「そうだよね。役者の女の子達の事も、よく分かってなきゃ演出なんてできないよね。」
やたら動揺した様子で不機嫌になっていく彼女が新鮮で笑った。なんだよ。さっそくヤキモチか。腕に抱きつかれたって言ったら、どんな顔するかな。
「大野さん。それってヤキモチですか?」
「えっ。。そんな。。でも、あれ?。。どうだろう?」
彼女は鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をした。次第に顔が赤くなる。
「どうだろう?」
俺が問い返すと、
「わかんない。」
真っ赤な顔で俯いた。可愛いじゃん。すっげー可愛いじゃん。