坂道では自転車を降りて
俺は興奮していた。これこそ高校の演劇部の部活動なのではないだろうか。すばらしい舞台を、みんなで作り上げる事ももちろん充実するし、大事だと思う。だが、舞台を完成させることよりも、こうやってぶつかり合う時間そのものが、活動なんだ。俺はこういう事がしたくて演劇部に入ったのかもしれない。
しばらくして、みんなが疲れて来た頃、2度目の休憩を原が提案した。もう外も真っ暗で、閉校の時刻が近かった。どこかで収拾をつけないと。。
休憩が終わり、皆が集まると、原が唐突に俺に聞いた。
「神井は、どうだった?」
「どうって、何が聞きたいんだ?」
「今日の会議の事だ。面白かっただろ?」
「ああ、興奮した。全然まとまらないけどな。。」
「それより。春に使う脚本については?まだ何の決着もついてないけど。持ち帰って明日にするの?」
中川が尋ねる。当然の疑問だ。
「春の脚本は、今から書く。」
みんなぽかんとした。俺もぽかんとした。
「今からって、どういう意味ですか?誰が書くんですか?」
生駒さんが尋ねる。
「神井が書くんだ。今日の話し合いの様子を纏めて、月曜の放課後までに、脚本にしてきてくれ。」
「はぁ??」
「できるよな?」
「月曜って、三日後ってことか?そんなの無理に決まってんだろ。」
「ラフで良いんだ。お前ならできるよ。」