坂道では自転車を降りて
敏腕編集者
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「理。そろそろ起きたら?もう昼よ。」
 母さんが俺を起こしに来た。昨夜は明け方の4時近くまで書いていたので、眠い。
「昨日、遅かったんだ。ほっといてよ。」
「お友達が来てるわよ。女の子。」
母は冷やかすように笑いながら言った。女の子?来てる?
「外は寒いから、玄関の中にいるわよ。」

 来てるって、ウチにか?女の子って、、大野さんだよな。それしか考えられない。玄関って言ったから、もうウチにいるってことだよな。嘘だろ。なんでいきなりウチ?何考えてんだ。あの子は。。

 とりあえず洗面所で顔洗って、いやその前に着替えないと廊下に出られん。おりかけた階段を上り、部屋に走って戻る。私服に着替え、部屋の鏡で髪を整えてから、階段を下りる。玄関を見ると、彼女は三和土に立ったまま、何か紙に印刷されたものを読んでいた。

「おう。もうちょっと待って。」
「うん。」
 洗面所で顔を洗ってから、玄関へ行く。もうちょっと髪の毛整えたいけど、もう結構、待たせてるよな。。このくらいで変じゃないかな。焦って玄関へ出た。

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