坂道では自転車を降りて
あぁ、やっぱり泣いちゃった。俺は自転車を停めて、彼女の横に立つ。
「なんだよ。泣くくらいなら、なんで連絡くれなかったの?」
優しく、肩を抱いてやる。可愛いんだか、可愛くないんだか。。
「だって、怖かったんだもん。怒って、もう嫌になったのかと思ったら、怖かったんだもん。」
「はぁ?」
ややこしい。やっぱり女の子は誰でもややこしくて面倒くさいんだ。この子は特に面倒かもしれない。ちっとも素直に甘えてくれない。ベタベタ甘えてきて。ウザいとか言ってる奴らが、うらやましいよ。
「なぁ、西棟で本当は何してたの?」
「文芸部でエリちゃんとメグに愚痴聞いてもらってた。でも、本当に絵も描いてるよ。」
「田崎は?手繋いでなかった?」
「はい?」
彼女は頓狂な顔で俺をみた。
「なんで田崎くんがでてくるの?」
「さっき、手を繋いでたじゃないか。」
「さっき?」
彼女は眉根を寄せて、怪訝な顔をした。
「俺が迎えに行った時、西棟の廊下で。」
「? 手なんか繋いでないよ。田崎くんは数学部から出て来たところへ、私がぶつかっただけだよ。田崎くんが携帯落としちゃって。でも、無事だったみたいだよ。」
「それだけ?」
「うん。」
本当か?本当だな。多分。なんだよ。やっぱり俺の勘違いかよ。ホッとしたのとバツが悪いのとで、思わず顔を背けてため息をついた。
「。。。ならいい。」
顔が近かったのは一緒に携帯を覗き込んでたからか。なんだよ。紛らわしい事するなよな。
「なんだよ。泣くくらいなら、なんで連絡くれなかったの?」
優しく、肩を抱いてやる。可愛いんだか、可愛くないんだか。。
「だって、怖かったんだもん。怒って、もう嫌になったのかと思ったら、怖かったんだもん。」
「はぁ?」
ややこしい。やっぱり女の子は誰でもややこしくて面倒くさいんだ。この子は特に面倒かもしれない。ちっとも素直に甘えてくれない。ベタベタ甘えてきて。ウザいとか言ってる奴らが、うらやましいよ。
「なぁ、西棟で本当は何してたの?」
「文芸部でエリちゃんとメグに愚痴聞いてもらってた。でも、本当に絵も描いてるよ。」
「田崎は?手繋いでなかった?」
「はい?」
彼女は頓狂な顔で俺をみた。
「なんで田崎くんがでてくるの?」
「さっき、手を繋いでたじゃないか。」
「さっき?」
彼女は眉根を寄せて、怪訝な顔をした。
「俺が迎えに行った時、西棟の廊下で。」
「? 手なんか繋いでないよ。田崎くんは数学部から出て来たところへ、私がぶつかっただけだよ。田崎くんが携帯落としちゃって。でも、無事だったみたいだよ。」
「それだけ?」
「うん。」
本当か?本当だな。多分。なんだよ。やっぱり俺の勘違いかよ。ホッとしたのとバツが悪いのとで、思わず顔を背けてため息をついた。
「。。。ならいい。」
顔が近かったのは一緒に携帯を覗き込んでたからか。なんだよ。紛らわしい事するなよな。