坂道では自転車を降りて
お前、殴っていい?
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解散後、活動日誌を書いていると、今度は高橋が来た。そうだ、話があると言っていた。
「あの、良いですか?」
「うーん。何の話?」
「大野先輩の事で。」

 やっぱりそれか。今日はもう勘弁してもらいたいところだ。公認の彼女に、ちょっとキスマークつけたくらいで、なんでこんなに一日バタバタしないとならないのか。あっちでもこっちでも、なんで、こんなにうるさく言われるのか。
 
「それは、、良い話?悪い話?」
「どちらかというと悪い話です。」
「うーん、今日はもう辟易してるんだ。後日じゃだめかな。」
「神井。ちゃんと聞いとけよ。日誌は俺が代わる。俺も、まだ聞きたい事あるけど、今度にしといてやる。」
横で聞いていた原が言った。
「。。。わかったよ。」

「大野先輩、最近、活動に来ないじゃないですか?来てもすぐ帰っちゃうし。」
「そうらしいな。」
「どうしてだか、神井先輩は知ってますか?」
「お前らが、からかうからだろ。」
「。。。。やっぱりそうですよね。」
「からかわれるから嫌だって言ってたぞ。前は昼休みや活動後にここで会えたのに、最近は全然、顔見ないよなぁ。原ぁ。」
俺は原に同意を求めた。原は日誌から顔を上げずに頷いた。
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