坂道では自転車を降りて
睨み合っていると、後ろから彼女がおずおずと口を開いた。
「ごめん。神井くん、私、お母さんに送ってもらう。」
俺は驚いて彼女を見た。なんで?だって、たった今、君が。。。なんでそうなるの?!憮然としている俺の横で、母が彼女に告げる。
「そうね。それが良いわ。私も準備しておくから、大野さんが帰る準備ができたらまた呼んでくれる。」
「もう帰れます。」
「もう理士と話さなくていいの?大丈夫?」
「はい。」
母さんと話し終わると、彼女は俺に向き直って、申し訳なさそうな顔で言った。
「神井くん、ごめん。私、今日は帰る。」
「。。。。。」
俺はいたたまれなくなって、その場に彼女を置いて自室へ戻った。口をきく余裕さえなかった。
しばらくして、玄関の戸が開き、車のエンジンの音がして、母さんが彼女を家まで送って行ったのが分かった。俺は彼女のぬくもりがかすかに残るベッドに腰かけて、赤くラッピングされたプレゼントの包みをただ眺めていた。