絶対主従関係。-俺様なアイツ-
 がっしりと肩を掴まれたあたしに逃げ道はない。

仕事のしやすいお団子にされている髪も、さぞかしビックリしているだろう。


「愛子!……明日から、使用人になってもらう!」



 カラスの「カー」という鳴き声と、子供たちの笑い声が聞こえた。

もうすぐ夕飯時だしね、なんて関係のないことが頭をよぎる。



「…ふーん、あたしが使用人……」


 あたしは大バカで、口にしてから気づいたのだ。



「はぁぁぁあああっ!?」




 まさか、これがとんでもない悪夢の始まりになるなんて。


このときはほんの欠片も気づかなかった。





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