嘘とワンダーランド
「あ、かちょ…」
「会社の外では?」
「正文さん…」
「いい子だ」
課長を名前で呼ぶことになれろと言う話だけど、このやりとりが楽しいからわざとやっていると言っても過言ではなかった。
課長は眼鏡越しでフッと微笑むと、
「帰るぞ」
わたしの手を引いた。
「はい」
わたしは返事をすると、課長と一緒に店を後にした。
「あの…」
「何だ?」
「駅はあっちだったと思うんですけど…」
そう言ったわたしに、
「わかってるよ。
これから予約したディナーに行くんじゃないか」
課長が言った。
ディナー?
聞きなれない単語が出てきたので、
「えっ、そうなんですか?」
わたしは驚いて聞き返した。
「会社の外では?」
「正文さん…」
「いい子だ」
課長を名前で呼ぶことになれろと言う話だけど、このやりとりが楽しいからわざとやっていると言っても過言ではなかった。
課長は眼鏡越しでフッと微笑むと、
「帰るぞ」
わたしの手を引いた。
「はい」
わたしは返事をすると、課長と一緒に店を後にした。
「あの…」
「何だ?」
「駅はあっちだったと思うんですけど…」
そう言ったわたしに、
「わかってるよ。
これから予約したディナーに行くんじゃないか」
課長が言った。
ディナー?
聞きなれない単語が出てきたので、
「えっ、そうなんですか?」
わたしは驚いて聞き返した。