GOLD BOY〜不良彼氏〜
しばらくすると、大和さんも電話の相手が葵じゃなく女だと気づいたみたいで、
私が『葵の彼女なんです』って言うと『あぁ美鈴ちゃん?』って名前を当てられた。
そして今までのこと全てを話すと『今から迎えに行く』と電話を切られて、
その数分後には、倉庫の外に車が来たことを知らせるエンジン音が聞こえた。
倉庫の中に入ってきた大和さんは苦い顔をした。
そして、倒れてるデビルの人たちはそっちのけで、葵のそばに駆け寄ってきた。
葵の脚を触って怪我の具合を確認すると、菊哉と慎悟くんの怪我も同様に確認した。
すると大和さんは、もう一度葵のそばにいった。
「菊哉と慎悟。お前ら2人は歩いてこい。足は平気だろ」
そう言ってソファーに横たわる葵をおぶさって、その場に座ったままの私に微笑んだ。
「美鈴ちゃん。悪いんだけど、そいつら2人に手ぇ貸してやってくれる?」
そう言って倉庫の入り口に向かって歩き出した大和さんの言うとおり、
立ち上がりだした慎悟くんと菊哉の腕を自分の両肩にかけて、大和さんの後を歩いた。
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