GOLD BOY〜不良彼氏〜



3人をなんとか車に乗せて、大和さんに『美鈴ちゃんは助席ね』と言われたから助席に乗った。



大和さんの乗ってきた車は8人乗りのワゴン車で、一番後ろに葵を寝かせ、真ん中に慎悟くんと菊哉が座った。



初めて乗った車で緊張してる私だったけど、ずっと気になってたことを大和さんに聞いた。




「あのー…どこに向かってるんですか?」


「………菊哉の鼻折れてるみてぇだし、まずは病院かな」


「……"まずは"?」


「うん。その後は俺んち。詳しく話聞かなきゃなんねぇからな」



そう言った大和さんはチラッとバックミラー越しに後ろの3人を睨んだ。



それにビクって肩を震わせる菊哉と、視線を窓に移す慎悟くんに気づいた。



「話って?」


「話?んー…何て言ったらいいんだろう。まぁ、事情聴取みたいなもんだよ」



事情聴取?なんの?



大和さんの言葉にそう思ったけど、大和さんの話し方からして、私には話しにくいことだと分かり黙っておいた。



最初の目的地病院に着くと、大和さんと菊哉だけが車から出てった。



『2人は行かないの?』って後ろの2人に聞くと『俺はすり傷くらいだから大丈夫だよ』って慎悟くんに言われた。



一方の葵は………。



.
< 340 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop