GOLD BOY〜不良彼氏〜



「美鈴が小学4年生の頃だったかな。あたしに『何でお母さんは若いの?』って聞いてきたことがあったの」


「……へぇ」


「それにあたしが『早くに産んだからだよ』って言ったら『そっかぁ』って、何か変だったんだよね。たぶん、その頃にあたしの年齢を気にし始めてた」


「そう……かもしれない」


「だから友達にも彼氏にも、あたしのこと秘密にしてたんでしょ?」


「べっ、別に秘密にしてたわけじゃ…」


「だから、本音言ってくれるまで待ってたんだけどねー。全然あたしに本音言わないからさ」


「……う」


「今日、聞いてやろうって決めて来たの」



お母さんはやっぱりお母さんで。

私の1人のお母さんで。

将来の目標の人で。



私が心の中で謝ると、まるでその謝りが伝わったかのように『あたしは全然気にしてないんだけどね』と呟いた。



ショックだったに違いないのに。

『分かんない』なんて言ってほしくなかったはずなのに。

お母さんはやっぱりお母さんだった。

昔のことをさらっと流せてしまう、すごい人だった。



.
< 417 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop