GOLD BOY〜不良彼氏〜
気絶寸前までキスされて唇が離れた時には私は酸欠になってて、新しい空気を勢い良く吸った。
肩で大きく呼吸をする私を、葵はそのままの体勢で悪魔の笑みを浮かべながら呟いた。
「誘ってんの?」
サソッテンノ?
誘ってんの?
何が?何を?誰が?誰を?
私はどこまでも馬鹿だった。
キョトンとする私を得意の見つめ作戦でベッドまで意図も簡単に運んでいった。
誘ってなんかないのに、そんな雰囲気出してたつもりないのに。
「何でこうなるのかが、あたしにはサッパリ分かんない」
「お前が家来るっつったんだろ?」
「だ、だから?」
「誘ってんじゃねぇかよ」
葵の部屋のベッドの上で言い合う私たち2人は、第三者から見たらさぞかしマヌケだろう。
どこかだよ。なあ、どこかだよ。
どの部分が誘ってたんだよ。
エッチしたいみたいな雰囲気を私が出してたか?!
彼氏のベッドの上で押し倒されてるのにも関わらず
こんなことを考えられる私って、物凄い根性の持ち主なんじゃないかと思う。
「キスだって、気持ち良さげだったくせに」
彼女を押し倒して発情しちゃってる葵もどうなのかと思う。
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