GOLD BOY〜不良彼氏〜
全然気持ち良さげじゃないし!
気持ち良くなんかないし!
実は葵が私とのキスが気持ち良くて最近よくしてくるだけなんじゃないの?
とは、口が裂けても言えないけど私の中ではそういうことにしておこう。
でも今はこの体勢をどうにかしないといけないから、何か対策を練らないといけない。
さすがに、お昼からっていうのは体のことを考えるとキツい。
でも葵にそんなこと言っても、どうせ『平気平気』で終わるのは目に見えてる。
「誘ったのが悪いってことで、このままいい?」
「よくない!」
そして、このまま何もしないのはもっと危ないのも目に見えてる。
「可愛くなれ」
「は?」
「素直になれ」
「はい?」
「本当はヤりたいって思ってるくせに」
上にいる葵のお腹を、いつもみたく手加減も遠慮もなしに、握り拳でパンチした。
こういう時に限って葵の運動神経の良さは発揮されなくて
見事に私のパンチを受けて、お腹を痛そうに押さえながら
私の上から退いた。
「卑怯者、可愛くねぇ女、意地っ張り女、暴力女」
私の横でまだお腹を押さえながら横たわってる葵は、私を睨み付けながらそう言った。
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