しあわせのかたち
「もう少し、時間いい?」


ご飯を食べた後、そう聞いてから、俺は夜景の見える丘に七海を連れて行った。

ここの夜景を七海と二人で見たかったから。

“最後の思い出に”と、七海をここに連れて来た。


「わぁー。綺麗ー」


今日、ずっと強張った顔をしていた七海。

だけど、今日初めて七海の笑顔を見る事が出来た。


「ここからの夜景を七海と一緒に見たかったんだ」


その事が嬉しくて、俺は自然と笑顔になる。


「主任……。あの……」


七海は俺の方を向き、


「ごめんなさい。あの、主任とはお付き合いできません」


そう言って、勢いよく頭を下げた。

今日の七海を見て、答えはわかっていた。

だから、俺は七海の出した答えを受け入れる。


「七海、顔を上げて……」


俺の我が儘だけど、最後に俺だけに向けられる笑顔を見せて欲しい。

だから、七海の顔を見たかった。

だけど……


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