しあわせのかたち
「碓井主任、ちょっと……」


そんな時、七海の同期の須賀が、俺を部下達の輪から連れ出してくれた。


「助かったよ……」


彼女にはきっと七海から話がいっていると思い、つい本音が出てしまった。


「助かったって……?あぁ……」


俺の気持ちに気付いた須賀は、部下達がわいわいと話している輪を見て笑った。


「あの、今日、碧……、七海さんの事を送って貰えませんか?」


周りに聞こえないように、須賀は小声で話す。


「あぁ、俺はそのつもりでいたが」

「そうですか。ならよかった……。それで……、あの……、私が口を挟む事じゃないんですけど……」


いつもハキハキと言いたい事を言う須賀にしては珍しく、何か言いにくそうに口ごもる。


「どうした?」

「あの、最近、七海さんと会っていないでしょ?七海さんは何も言わないけど、もしかしたら、寂しいんじゃないかなって……。今日も、何か落ち込んでいるというか……」

「すまない」


もし、須賀の言うように、七海が寂しいと思っているのなら、俺のせいだ。


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