しあわせのかたち
まだ電車のある時間だったから、私と阿部は電車で帰る事にする。

電車の中で私達は、何かを話すわけでもなく、ずっと無言だった。

そんな無言の中、私は自分の気持ちを整理していた。


あれは、五月下旬。

あの時、私は碓井主任の事が好きだと思っていたし、碓井主任と二人でご飯に行けて嬉しかった。

だけど、阿部が女の子と歩いている姿を見て、私はショックを受けた。

あの時はわからなかったけど、今思えば、それってもしかしてヤキモチだったのかな……?

私、阿部の事は仲の良い同期で友達みたいに思っているけど、実は惹かれていたの?

あの時はただ、“私の事を好きって言っていたのに何で?”って思っただけ?

まぁ、阿部には断ったのだから、今さら答えを変える事はしないけど。


っていうか……

弥生にはもう一度ゆっくり考えなって言われたけど。

今はもう七月に入って数日が過ぎている。

だから、碓井主任に告白されて、一ヶ月以上は経っている。

さすがに待たせすぎている気がする。

“急いで答えをださなくていい” “考えて”

あの時、そう言われた。

ゆっくり考えたら、自分の気持ちに自信が持てるかもしれない。

それは、好きの方か、好きじゃなかった方かはわからないけど。

でも、それはいつになるのかはわからない。

碓井主任の事は気になるし、好きだと思うけど、今の私は自分の気持ちに自信が持てない。

やっぱり断るべき?


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