Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「もしもし、蓮央?あのさ、突然で悪いんだけど、もう私達終わりにしない?」
『……は?何言ってんの?お前……』
「だから、もう疲れたの。姫としても、彼女としても。私、翠斗に復讐するためにあんたらのそばにいたけど、翠斗がヨリ戻してくれるって言うからもういらないよ。
今までお疲れ様。じゃあね」
『おい、咲誇……!俺は…………』
蓮央は何か言いたそうだったけれど、続きを聞く前にスマホを翠斗に抜き取られた。
「ちょっ……」
そのままそれを耳に当て、次は翠斗が話し始める。
「もしもーし。【桜蘭】の翠斗だけど。お前の大切な女、俺に返してもらうわ。……あ?なんか文句あるなら、拳で勝負つけようぜ。屋上でいつでも待ってるぞ!!」
一方的にそう言うと彼はさっさと通話終了を押し、スマホを床に落としてかかとで思い切り踏みつけた。
___バキッ……
足を上げると、無残に砕かれた元スマホがある。
これで、蓮央とはもう連絡が取れない。
スマホの残骸をつまんでいる翠斗を、全力で睨みつける。
「翠斗……約束が違う…………」
「はぁ?」
「別れるっていったら、蓮央たちに手は出さないって……!」
「いつそう言った?俺は、『襲わない』と言ったまでだし、どうするかは向こうの勝手だろ」