Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
気のせいじゃない
じっとしたまま、もう一度待った
「―… スイ〜〜〜〜ッ!!!!」
「―――― アヤちゃん?!」
坂の上から
猛スピードで降りてくる自転車
足を開いたまま
横を抜けてきそうな勢いの影に
思いきりしがみついた
ぎいいいって
ブレーキをかける音が
周囲に響き渡る
「アヤちゃ…
ど、どげんしたと?!
うちずっと心配…」
「スイ!!!!"魔法使い"が来る!!!」
「へ……?!」
「東京がら、連絡か来よると!
うち、ずっと…ずっと、待っとったと!」