運命のブレスレット
私はサヤの手首をしっかり握ったまま、夏帆と3人で体育館裏まで歩き始めた。


サヤ…


手首が小刻みに震えてる。


早く安心させてあげないと…。


取り巻きの何人かは、すでに私がサヤを個人的に呼び出した時点で、私が味方だって思ってたみたいだけど…


そんな訳ないじゃん。


「次は絶対ボコボコにしてやる。」


小さく呟いた瞬間、サヤの手首がビクッとした。


大丈夫。


サヤのことじゃないから。


そういう思いを込めて、細い手首をぎゅっと握った。


< 145 / 181 >

この作品をシェア

pagetop