運命のブレスレット
「萌南、またどうせ感傷に浸ってたんでしょ⁉︎」

「うん、ごめん。つい懐かしくって…。」

「まあいいわ。感傷に浸るなら後ででもできるんだから、今は取り敢えず手伝ってちょうだい。」

「うん。」


トラックが来たのはお昼の1時頃だったのに、荷物を運んで自分の部屋の整理をしていると気が付けば5時になっていた。


「ふぅ…。」

疲れて椅子に座っていると、お母さんがドアを開けて入ってきた。


「萌南ー!キリがついたら三宅さんの所にご挨拶に行くわよ。いい?」

「了解です!」

お母さんが出て行って、バタンッと閉まったドアをしばらく眺めてから、私は立ち上がって部屋のカーテンを開けた。


「かずくん…元気かなぁ?」

窓からでも見える大きな邸宅をじっと見ながら呟く。






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