運命のブレスレット
「橘さん、髪の毛については心配しないでもいいわ。」


瞬間、橘さんの表情がギョッとしたものに変わった。


そしてやれやれというように口を開く。


「参りました、お嬢様には。どうやら関西で目を鍛えられたのか、察しが良くなったようですね。」


「別に橘さんを責めてるわけじゃないの。落とした髪の毛は自分で掃除するって意味で言ったのよ。」


「そうですか…。もうすぐで学校に着きますよ。」


「ありがとうございます。私は髪のセットも出来たから大丈夫よ。あ、でも1分前ぐらいになったら教えて下さいな。」


「お嬢様あの…お言葉ですが、1分前はもう過ぎております。」


「はい⁉︎」


はっとして前を見るともう建物の陰から学校が見えていた。


「ヤバい…じゃなくて大変!橘さん、私を降ろすのは正門の近くじゃないとダメなの?」


「できるだけ正門の近くでという御指示でございます。」


そう言ってる間にも学校に近づいてきている。


段々と登校途中の生徒の数も増えてきた。



やばいな…



私、超ピンチじゃん…。




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